和歌山大学教職大学院紀要 : 学校教育実践研究 7
2022-11-30 発行

特別支援学校における性教育に関する事例的研究(Ⅱ) : 苦手意識をもつ教師へのインタビュー調査より

A case study of sex education in a special needs school(II) : An interview survey with a teacher about his weaknesses
鶴岡 尚子
北岡 大輔
フルテキストファイル
DOI[info:doi/]
本文言語
日本語
開始ページ
89
終了ページ
97
記事種別(和)
研究報告・ノート
キーワード(和)
特別支援学校
性教育
教師
苦手意識
ライフストーリー
抄録(和)
中学校から特別支援学校への校種間の異動を経験したG教諭の性教育への苦手意識がいかなる経験から生まれ、こうした価値観を形成してきたプロセスを検討した。その結果、性教育が行動変容に直結しないことや、子どもたちの内面にどのように影響したのかが見えないため、評価の方法に難しさと不安を感じ、苦手意識に繋がっていることが分かった。さらに G 教諭の語りを「実践者」の意識と比較すると、G 教諭は狭義の性教育から脱しておらず、また、生徒が表出したニーズに対してのみ指導を行おうとする点で違いが見られた。一方、G 教諭は女性教師が男子生徒へ語る性教育の実際に触れたことをきっかけに、性の話は男性間の秘め事という意識が変化し、性を「語ってもよい」という感覚へと変容した。今後は「授業の評価までを明確にした実践例の蓄積」「教師が抱える困難感へのインフォーマルな関係における支援」の実現に向けた取り組みが必要と考えられた。
分類(和歌山関係論文)
370 教育
著者版フラグ
出版者版