和歌山大学教育学部紀要. 教育科学 69
2019-02-08 発行

未就園児を育てる母親の養育態度とソーシャルサポート・自己評価の関係 : 愛着形成の視点から

The Relations of Mothers’ Parenting Attitudes toward Pre-kindergarten Children, Social Support, and Self-evaluation : from a Viewpoint of Attachment Building
田並 幸恵 海南市立こじか保育所
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DOI[info:doi/]
本文言語
日本語
開始ページ
27
終了ページ
34
キーワード(和)
子育て支援
ソーシャルサポート
養育態度
愛着
抄録(和)
本研究では、どのようなソーシャルサポートが、母親の養育態度にどんな影響を与えるかについて検証することを目的にして、未就園児を育てている母親105名を対象に質問紙でアンケート調査を行った。中道・中澤(2003)の親の養育態度尺度、堤・堤・折口・高木・詫摩・萱場・五十嵐(1994)、堤・萱場・石川・苅尾・松尾・詫摩(2000)の地域住民用ソーシャル・サポート尺度を修正したもの、田邊・米澤(2009)の自己評価尺度の3尺度を用いた。人から情緒的なサポートをされると、こどもに「応答的」な対応ができるが、具体的サポートはこどもへの「統制的」なかかわりにつながりやすいことが示された。「応答性」には、全ての情緒的サポートが影響しており、「統制」には影響していないことから、人から情緒的サポートされると、人は応答的な対応ができる。「統制」には自己効力感のみが影響していることから、自分だけで子育てができると思える人は、自分だけに閉じられた子育てをしやすいということが言える。また、応答性の高い母親は、こどもとの愛着形成が結びやすく、統制の高い母親は、こどもとの関係性に課題をもつ可能性が示唆された。
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