令和2年、前年の末に中国武漢で確認された新型コロナウイルスによる感染症が世界的に猛威を振い、以来、社会・経済のあらゆる面において甚大な影響を与えている。公教育においてもそれは例外ではなく、教育行政をはじめ各学校においても、その運営自体にも大きな支障をきたした。ただ、そうした出来事を単に「災厄」としてのみ捉えるのではなく、発展に向けた一つの糧としていかに有効に位置付けてゆくかが、今後(ポストコロナ)の課題となる。このような視点から本稿では、コロナ対策として緊急的に展開された「遠隔授業」の実態に着目し、教育行政、小学校、中学校、大学におけるこの間の具体的な動きと、そこから見える可能性について検討を行い、今後の考察に向けた端緒とする。