「総合的な学習の時間の指導法」は、教育学部3年生を対象に本年度開講した必修科目である。この授業は、総合的な学習の時間の意義や目標、探究課題などについて学ばせたり、具体的な実践にふれたりすることなどを通して、その指導法を考えさせることがねらいである。本稿では、受講生自身の総合的な学習の時間の体験をもとにした初等教育(小学校)指導法の例を紹介する。指導法のポイントを学ばせると共に、受講生の体験(総合的な学習の時間の授業)を教材化することで、よりよい「総合的な学習の時間」の授業づくりを具体的にイメージしたり、探究的な学びについて考えたりすることができた。ただ、体験の教材化には時間的な余裕も必要であることがわかった。授業の概要については、谷尻ら(2021)「教職新科目『総合的な学習の時間の指導法』の実践(1)―授業内容と学生のアンケートから―」を参照のこと。