2017・2018 年の学習指導要領の改訂、2019 年の指導要録の改訂を受け、観点別評価の観点は、3 つの新しい観点(「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」)に整理された。現在、学校教育現場において課題となっているのは、学習指導要領で提起された「主体的・対話的で深い学び」とこれら3 観点の評価をどのように結びつけ、評価を行っていくのかにある。本論文では、3 観点の中でも特に「主体的に学習に取り組む態度」の評価に焦点を合わせ、その評価のあり方について考察する。具体的には、一枚ポートフォリオ評価法を参考にし、開発した「学びのログ」を中学校国語科の実践で使う実践的試行を行った。その結果、生徒の学習の自己調整がどのようになされているのかを可視化できたと同時に、「メタ認知能力」と呼ばれる自己評価能力を培う学習材として「学びのログ」が利用できることも明らかとなった。ただし、学習の自己調整をみとるための評価基準、そして学習方略に焦点を合わせたフィードバックについては本研究の今後の課題となった。