知的障害特別支援学校小学部に在籍する自閉症スペクトラム障害(Autism Spectrum Disorders:ASD)と知的障害のある児童 3 名を対象とし、自立活動の時間の授業を通した自発的なコミュニケーション力を育むための指導とその評価を行った。また、児童が示す気になる行動とコミュニケーションとの関係性とその変化についても検証を行った。事前アセスメントの結果に基づいて対象児童の教育的ニーズを設定し、自立活動の授業の内容及び方法を計画した。指導後、要求や拒否、体調の変化などを伝えることができるようになった児童、担任教師以外の大人に要求を伝えることができるようになった児童の姿が見られた。気になる行動は、ASD の障害特性である感覚過敏や「こだわり」に関するものが多く、伝わらないことで生じる行動も見られた。自発的なコミュニケーションを育むためには、児童が好む活動や遊びを把握することや要求の機会や場面の設定の工夫が重要である。