平成30年に公示された高等学校学習指導要領では,「数学的に考える資質・能力を育成する上で,数学的な見方・考え方を働かせた数学的活動を通して学習を展開すること」が特に重視されている。しかし,生徒の興味や能力に応じた適切なテーマを選ぶことは,教員にとっても難しいことであると思われる。そこで,本稿では,意欲的な高校生を想定し,そのような数学的活動の一例として,フィボナッチ数列に関するある問題を紹介し,規則の分からない未知の数学的事象をどのように観察して一般規則を数学的に表現するかというプロセスに焦点を当てて,数学的活動の実例を考察する。