2016年の中央教育審議会答申を受けて改訂された新学習指導要領では、高等学校情報科の共通必修科目「情報Ⅰ」および発展選択科目「情報Ⅱ」が設置され、2022年度から実施されている。これらの科目にはデータサイエンスが学習内容に加わり、その一分野である機械学習を扱った教科書が多くを占めている。機械学習は様々なアルゴリズムがあり、現在も研究されている分野で、教科書ではその仕組みの概要をつかむことに重点を置いている。機械学習の中でも近年急速に発展してきた技術であるディープラーニングを取り上げている教科書も多くあるが、その仕組みを視覚的に理解できるような教材はほとんど開発されていない。本研究では、ディープラーニングの要となるアルゴリズムの一つである確率的勾配法を視覚的に理解するため、陶器による教材を制作したので報告する。