この論文は,3歳,4歳,5歳児の土ふまずの形成度,接地時の左右の足ゆび圧,および,立幅跳び,片足運統跳びの運動機能を測定し,形成率,足ゆび圧と運動機能との関係をみた。即ち,土ふまずの形成完成率は,3歳児36%,4歳児54%,5歳児63%であり,各年齢での基準値と比較して,やや下回っていた。また,男女間では,3歳,4歳,5歳児すべてにおいて,女児の方が男児より,土ふまずの完成率が高い傾向を示した。次に,接地時の左右の足ゆび圧の測定結果は,左右の第V趾の加圧不足が目立ち,3歳児の65%,4歳児の60%,5歳児の70%の幼児が接地時に第V趾に充分加圧できず,浮き上がっていることが解明された。一方,左右の足ゆひが全て充分に接地した良好な幼児の各年齢別比率は,それぞれ,30%,32%,25%であり良好な幼児の比率は低かった。また,足ゆび圧と運動機能との関連は,有意差の見られた項目もあったが明確な関連は見られなかった。