土砂災害の発生位置や規模をいち早く調査をするためのUGV(unmanned ground vehicle)の開発において,泥濘に覆われた路面において車輪の空転を原因とするスタックを回避することは重要な課題である.そのため,われわれは泥濘上における車輪の空転のメカニズムを解明し,泥濘内部状態を推定することによるスタック回避を目的とする泥濘地シミュレータの開発を行っている.そして,UGVに搭載したネットワークに接続されない小型計算機上で実行可能な簡易な泥濘地シミュレータ開発のためのモデルを提案し,シミュレーションおよび実験によってその実用性を検討した.本報告では,泥濘地シミュレータの構成および実験結果について考察を述べる.