本報告書は、近年の和歌山市における商店街を代表とする小売商業の状況を、消費者側の目線で詳細にわたって実施した調査、およびその分析結果をもとにした和歌山市の小売商業の抱える様々な課題の抽出、さらには、今後の方向性を現実的かつ解決可能な観点でいくつか重要な対策の提言を具体的に取りまとめたものである。これらの課題と提言は、特に、商業関係者自身の危機意識の覚醒や"本音"の聞き出しからスタートするとして、目指すべきビジョンの策定や関係者の一致した協働活動が不可欠としている。調査は和歌山市圏域から橋本圏域、有田圏域、御坊圏域さらに、泉佐野市までの大阪府南部圏域までの住民を対象に実施し、同時に10年前の同様の調査との対比を行い、この10年間の変化と特徴も分析しており、的確性と有効性を持った非常に有意義な調査・研究といえる。