和歌山大学教育学部付属小学校紀要 45
2023-03-01 発行

言葉を自覚的に用いる子どもの育成 : 『探究』の姿を引き出しながらつけたい力をつける効果的なしかけとは

川端 大奨
平井 千恵
宮脇 隼
フルテキストファイル
DOI[info:doi/]
本文言語
日本語
開始ページ
16
終了ページ
29
キーワード(和)
言葉
音読劇
発達の段階
しかけ
要約
レトリック
探究
省察
抄録(和)
本研究は,低・中・高学年でそれぞれの発達の段階を視野に入れた『探究』の姿を引き出しながら,言葉を自覚的に用いる子どもの育成を目指したしかけが効果的に働くのかを検証したものである。具体的には,第1 学年で「主体」「協働」「活用」「省察」の4 つの『探究』の姿を引き出しながら「くじらぐも」を読み取り,音読劇に活かす実践,第3・4 学年での「主体」「省察」の姿を引き出しながら「ありの行列」「ウナギのなぞを追って」の要約文を「ルーブリック」を示して書く実践,第6 学年では「活用」「省察」の姿を引き出しながら,レトリックを用いて「やまなし」を読み取り,自己の考えの形成を図る実践である。3つの実践を行った結果,「音読劇」という言語活動や「ルーブリック」の設定という「明確な目標を示す」しかけが, 「主体」「省察」の姿を引き出しながら単元目標を達成することに効果的であることが明らかになった。また,第6学年の実践では,レトリックという共通の見方・考え方を通して様々な文章を読むことで,「活用」「省察」の姿を引き出しながら子どもたちにレトリックという見方・考え方を獲得させられることが明らかになった。
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