和歌山大学教育学部付属小学校紀要 45
2023-03-01 発行

『探究』の姿を引き出す算数科の学び : 発達の段階を視野に入れた『探究』のしかけによって

西浦 健悟
松本 都望
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DOI[info:doi/]
本文言語
日本語
開始ページ
38
終了ページ
43
キーワード(和)
かけ算の意味理解
子どもの日常に近づけた問題解決場面
変わり方
問題解決
抄録(和)
本年度は,発達の段階を視野に入れた子ども自ら探究する学びの実現を目的とし,研究を進めた。よりよく問題解決する学びの実現に向け,主体・協働・活用・省察の4つの姿が繰り返し,豊かに具現化している姿を目的に実践を行った。2年生「かけ算」の実践において,生活場面の中に問題を見つけ,どうすれば解決できるかと試行する過程で,絵や図を用いて「かけ算の意味」を正しく理解することを目的とした。ここでは2つの式を見比べる際に絵や図を用いることで,これまでの問題との違いや本当に今の考えが合っているか一旦立ち止まり考える「省察」と絵や図を「活用」する姿をめざした。しかけが有効に働き子どもたちの『探究』する姿があった。一方、発達の段階に応じた教師の出るタイミングや内容について課題が残った。4年生は,「変わり方」の実践において,二つの数量関係を見いだし,表や式を用いて変化や対応の特徴を考察した後,問題解決をする場面を設けた。そうすることで,考察に用いた表現や結果を用いてよりよく問題解決する主体の姿を引き出すことをめざした。その結果,具体的な場面において,表や式を用いて変化の様子を表したり,変化の特徴を読み取ったりすることができたと考える。また,伴って変わる二つの数量関係を見いだし,それらの関係に着目し,表や式を用いて変化や対応の特徴を考察する力が育ってきた。
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