本研究ではイネの遺伝的多様性に注目し、教育現場におけるペットボトル栽培に適した品種の探索と収穫後の利用について検討を行った。和歌山市の気候に適した品種を圃場での栽培試験により21品種の中から赤米を含む5品種選抜し、それらの品種を用いてペットボトルイネ栽培を行った。さらに、コメの収穫量がわずかな場合の利用方法として「コシヒカリ」にそれぞれの品種を少量混ぜて炊飯した結果、赤米の品種で薄ピンク色に色づくことを確認した。「2学期が始まってから出穂する品種」および「赤米」である条件を満たした「阿波赤米」と「対馬産赤米」が、栽培から収穫・炊飯を通して児童の驚きや興味を引く和歌山市におけるペットボトルイネ栽培に適した品種であると結論した。