図画工作科の時間において生み出される表現や活動は,個々に異なる感性に委ねられ,全身の感覚を働かせて目の前の素材や場,空間とかかわり,自分にとっての意味や価値に気づくことからつくり出される。本校では,その「気づき」が「自己調整」につながるものであると定義していることから,図画工作科においても,感性を働かせたことによる「気づき」が生み出されることで,豊かな創造的な活動が展開されると考えた。
本研究では,子ども自ら「気づき」を生み出す為に,活動の“場”と学びの中で子どもが果たす“出合い”といった間接的な支援である2点について,多様な「気づき」が生み出されるための条件を整理し,実践と検証を試みた。実践では,土粘土による造形遊び(「ふしぎなあいらん“土”)を行った。その過程では,設定した“場”や“出合い”によって,全身の感覚を働かせて土粘土にかかわりイメージを膨らませ,自分なりに表したいことをつくり出し『探究』する姿が見られた。