本研究は,音楽科における発達の段階を視野に入れた「省察」の姿を設定し,その姿を引き出すためのしかけとして,音楽づくり授業におけるプログラミング活用を試みたものである。低学年という発達段階や児童の実態,音楽づくりのねらいや学習目標を踏まえ,ビジュアル言語型プログラミングソフトを選択・活用して授業実践を行い,児童が音楽をつくるプロセスの分析を行った。その結果,発話記録より「反対言葉(旋律の反行型)」や「しりとり(同じ音でつなぐ)」といった語が頻出する等,児童らが「呼びかけとこたえ」をどのようにつなげるか,旋律のつなげ方について試行錯誤しながら音楽をつくっていることが明らかになった。