家庭科において子どもたちが『探究』する姿を引き出すためには,子どもたち一人一人の生活に沿った課題に対し,自発的に家庭科における見方・考え方を働かせられることが必要であると考えた。課題を子どもたちの生活に沿わせ自分事にするためには,子どもたちが現在の生活から課題を発見し,自分自身の価値観に照らし合わせ課題解決をすることが必要である。そこで,主体の姿を引き出すために子どもにとって身近であり一人一人が用意している防災袋を題材として設定した。また,避難所での生活場面を焦点化し,体験・実験,考察する授業を第1次に設定し,第2 次では既習の知識・技能を活用して防災袋の中身について子どもたち自身が問題を発見,課題を設定・解決する単元構成をしかけとした。
実践をとおして,防災袋を題材として取り扱い一人一人が内容の見直しを行うしかけから,子どもの主体の姿を生み出すことができた。また,体験・実験,考察する活動を設定する単元構成のしかけから,子どもが生活の営みに係る見方・考え方を働かせ防災袋の課題を発見し,既習の知識・技能を活用し課題を解決する姿につながった。