子どもが『探究』する体育科の授業づくりを実現するために,体育科の授業場面において,「やりたくなる」「かかわる」「わかる」「できる」「ふりかえる」の5つの子どもの姿を豊かにすることができる「しかけ」を考え,第5学年「フライング・ディスク」,第5・6学年(複式)「マイペースランニング」の実践を行った。また,「しかけ」を考える際には,子どもの実態把握を大切にし,子どもの実態に応じた「しかけ」を行うことができるようにした。その結果,教材選定を含む教師の様々な手立てと実態が合致した際には,『探究』する子どもの姿を引き出すことができることが明らかになった。適切な「しかけ」を施し,子どもが『探究』する授業を実現するには, 子どもの実態把握,めざす子どもの姿を明らかにすることはもちろん,その上で「活動時間の確保」や「人的環境を整える」ことが極めて重要であることが明らかになった。しかし,これらのしかけは,子どもが『探究』するための必要条件であり,十分条件を満たすようなしかけが求められる。