和歌山大学教職大学院紀要 : 学校教育実践研究 4
2020-03-25 発行

国際的な天文分野教員研修NASE の実施 : 経緯と改善への振り返り

A Practice of the International Teacher Training Program on Astronomy, NASE in Japan : The history of the practice and reflection for improvement
上之山 幸代
鷺坂 奏絵
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DOI[info:doi/]
本文言語
日本語
開始ページ
97
終了ページ
104
記事種別(和)
研究報告・ノート
キーワード(和)
天文教育
教員研修
国際天文学連合(IAU)
NASE(Network for Astronomy School Education)
抄録(和)
天文分野において世界で展開している教員研修の一つであるNASE を、日本での初めて実施した。学校教員を中心に幅広い層から52 名の参加者を得て合計24 時間の講座を日英二ヶ国語で行った。NASE は国際天文学連合の教員研修の作業部会が開発したものではあるが、日本の学校教員にとって普段の授業で実践しているものと重なる内容が多い。そのため、新規性あるものを提供するというよりも、日本の教育実践や活動が世界の実践と同じ方向にあること、ワークショップ型授業で使える新しい教具や授業方法をさらに得る機会となること、日本の天文教育実践者が世界にもっと貢献できることなどを参加者に感じてもらうことを目的とした。参加者からのアンケート回答には、上記の観点について多くの肯定的意見をいただくことができた。NASE は世界各地を回る際、講座の内容と方法を標準化させている。そのため、受講者や開催地の事情に合わせた内容や方法の重みづけ直しが自由にできない形になっている。そのため、内容の難易度の調整や、日英二ヶ国語対応の際の柔軟さを出し切れなかった点は、改善を要するところである。
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