受験競争のプレッシャーが中学生に困難と生きづらさを押しつけていること、「自分崩し・自分づくり」(アイデンティティの解体と再編)の時期に中学生があたっているといった制度的条件が中学校にはある。それだけでなく、現代の子どもたちの変容、保護者や地域住民の変貌が中学校をめぐる困難をいっそう大きなものにしている。だからこそ、中学校は、逸脱行動も表面に現象しいてくる時期に当たり、実践的な困難に直面せざるをえない。
しかし、こういった困難ななかにある中学校に対する制度的なサポート体制は、十分に構築されていない。教員の実践的な指導力の中核をしめる中学校の教員の授業力の形成は、学校づくりのなかでももっとも重要な課題のひとつである。
こうしたことをふまえて、一人ひとりの生徒が生き生きと活躍できる学校づくりを進めていくために、授業の参観およびそれにもとづく研究協議に参加して、授業力の形成を中心とした学校や教員の課題克服に向けた指導助言をしてきた。