本研究の目的は、知的障害のある人が、特別支援学校で学んだ性教育についてどのように感じているのか、性教育において何を学び、何を学びたいと考えているのかなど、そのニーズを明らかにし、性教育を実施する上での今後の課題を提示することである。セクシュアリティ教育の考えを参考に性教育を実施している特別支援学校卒業生(女性2名)を対象にインタビュー調査を行い、質的分析を行った。その結果、とくに「生理」に関する知識を学んだことが卒業後も役立っており、学校で取り組んだ内容をまとめた冊子を持っていることも安心感につながっていた。今後の課題として、1. 相談相手を含めた正しい情報入手先の確保、2. 妊娠に対する強すぎる不安への対応、3. 教員の姿勢、体制の整備の3点があることが明らかになった。