特別支援教育におけるICT利用をテーマとして、テレビ会議システムによるオンライン研修を実施し、実践報告と協議を行った。その事前・事後で参加者にアンケートを配布し、特別支援教育と関わる教員38名と学生15名から回答を得た。その結果から障害のある児童の教育におけるICT利用に対する意識を分析した。フォーラムの参加者は、事前に「ICT利用の必要性」と同時に、「利用の困難さ」を意識していた。研修の事後には困難さへの意識は有意に低減し、研修の効果が認められた。その変化は直接対面式の研修会場とオンライン研修の遠隔会場で参加者の間に差がなかった。一方、「ICT利用にともなう児童への影響の心配」は研修後も変化が認められなかった。「重度障害児のICT利用の可能性」については、研修後に学生の参加者の意識がさらに肯定的なものになった。「書字の支援に対するICT利用」では、知的障害児と比較して肢体不自由児に対する意識がより肯定的であった。