和歌山大学教職大学院紀要 : 学校教育実践研究 2
2018-03-23 発行

中学校保健体育科における攻撃と防御の両方に戦術的課題を設けた剣道授業の有効性

The Effects of the Kendo Class that set Tactical Tasks for Attack and Defense in Junior High School Physical Education
橋本 大地
フルテキストファイル
Self DOI [info:doi/]
本文言語
日本語
開始ページ
103
終了ページ
112
キーワード(和)
中学校
剣道
授業
戦術学習
抄録(和)
一般的な剣道授業では技能学習が中心で、駆け引きを伴う攻防を十分に行うことができていなかった。攻防を行っても、ただ闇雲に竹刀を振り回しているだけになってしまい、それらを改善するためには対人的状況下での戦術的気づき(打突機会の判断)と運動技能の発揮(打突)を結びつける必要があり、近年では剣道授業における戦術学習の重要性が示されている。先行研究では、攻撃に関する戦術的課題に焦点を当てたものはあるが、防御側の戦術的課題に焦点を当てているものは見当たらない。「受け」の技能を向上させることは応じ技にもつながるため、攻撃と防御が同時に起こりうる剣道では欠かすことができない。そこで本研究では、中学生を対象に攻撃と防御の両方に課題を設定した剣道授業を計画し、その有効性を検証した。その結果、「打突の機会」の理解、攻防技能や思考判断の高まりが見られ、授業の限られた時間のなかで生徒が戦術を理解して活用できるようになり、攻防の駆け引きを行えるようにするには有効であることが示唆された。
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