「反省的実践家」が、教師の専門職像として提起されて以降、教師の成長・発達の契機として実践の「省察」が注目されるようになってきている。近年、世界的にも注目されるようになった「授業研究」は、実践の省察を教師同士が組織的に行う学習の場と捉え直されつつある。本論文では、教師の省察プロセスをあらわしたコルトハーヘンのALACTモデルにもとづきながら、和歌山大学教育学部附属小学校で2018年度、取り組まれた校内研修での授業公開と協議会を素材に、「本質的な諸相への気づき」を伴う省察を可能にする授業研究とは、どのようなものなのかについて考察する。