和歌山大学教職大学院紀要 : 学校教育実践研究 5
2021-03-25 発行

中学校社会科地理的分野における「多面的・多角的に考察する力」の育成を目指した授業づくり : マトリクス図を用いたまとめ学習

Development of the geographical lessons to help students to have multifaceted perspectives and various points of view by matrix charts at junior high school
夏目 大尊
フルテキストファイル
Self DOI [info:doi/]
本文言語
日本語
開始ページ
161
終了ページ
168
記事種別(和)
研究報告・ノート
キーワード(和)
中学校社会科
地理的分野
北海道地方
多面的・多角的に考察する力
マトリクス図
抄録(和)
本研究は、中学校社会科地理的分野の単元である「日本の諸地域」において、マトリクス図を用いて授業内容を整理したのち、まとめを記述することで、生徒が、授業内容を社会的な事象として捉え、「多面的・多角的に考察」する力の育成につながるかを検討することを目的としている。対象の生徒たちについて、1.マトリクス図に、授業内容をまとめることができているか、2.まとめ記述欄に、授業内容がまとめられているか、3.マトリクス図を、生徒は使いやすいと感じているか、4.まとめ記述欄には、どのようなことが記述されているのか、という観点で分析をおこなった。その結果、マトリクス図を使いやすいと感じている生徒ほど、マトリクス図の評価が高くなっており、また、まとめの評価も高くなる傾向が見られた。生徒のまとめの記述分析では、「しかし」等の逆接を意味する特定の語句や、「観光」等の立場の違いを表す語句などが、多く用いられていることがわかった。これらの特定の語句を用いてまとめを行なっているとき、チェックリストでは評価ができない部分で、多面的・多角的な考察がなされていることがわかった。
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