精神保健福祉士は中核的な援助技術である個別援助において、従来の医療や福祉領域から多領域に職域を拡げ、各領域に適応するようにその役割や援助技法を各々独自で発展を遂げている。こうした動向の中で、精神科病院の精神保健福祉士の個別援助に焦点を当て、筆者が蓄積してきた臨床経験や研究報告から得られた臨床的知見をまとめ、「精神障害リハビリテーション」における援助構造を通じて、「面接」の在り方、援助技法としての行動療法の位置づけなどについて再考を試みた。これらの検討過程から、精神保健福祉士の個別援助におけるclient理解の理論的枠組み、援助技法としての行動療法の有効性と位置づけを見出したので報告する。