本稿では、現行学習指導要領において最も重要な概念の一つである「カリキュラム・マネジメント」を起点として、その一つの側面である「地域」との協働・連携について、伝統的にこの課題を扱ってきた社会科、並びに総合的な学習の時間を軸として検討することを目的としている。論議の前半においては「カリキュラム・マネジメント」における「地域」の位置を確認しつつ、現行学習指導要領において求められる「社会に開かれた教育課程」について論ずる。さらに、ここでは今から30 年以上前に行われた当時の社会科教育の実践と、近年の「総合的な学習の時間」の実践を対比しながら、そこに見られる「地域」の位置とその意味の変化を探り、それぞれの時代に有った地域との学びの連携について考察する。