近年、特別な支援を必要とする児童生徒への保健教育の重要性が指摘されている。そこで本研究では、養護教諭を対象にして発達障害のある児童生徒の心身の健康に関する「かかわりの実態」について、養護教諭に対するインタビュー調査により明らかにした。その結果、養護教諭は発達障害という枠組みで子どもを捉えるのではなく、その子の個性として、どの子どもにも平等に接する意識を持っていることがわかった。また、発達障害のある児童生徒への保健教育の必要性について、特別支援学級に在籍する児童生徒への「保健教育の指導の漏れ」が指摘され、保健教育は生活習慣形成の土台となる時期である幼少期や小学校段階のできるだけ早い段階から健康管理のスキルの定着と良い習慣づけを図ることが重要であること、さらに特別支援学級に在籍する児童生徒について健康管理のスキルの定着には専門的かつ継続的な指導が必要であることを踏まえ、特別支援学級担当教員と保健分野に関して専門性の高い養護教諭が連携して指導にあたることが重要であることが明らかとなった。