この報告は,Euclidの時代からの初等幾何学の作図可能な問題,および,作図不可能な問題をもとに,二次方程式の解法の一例を示すことを目的としている。その解法を述べるにあたって,まず,作図問題の定義を明らかにし,その上で,作図可能な問題と作図不可能な問題,および,問題の不成立についていくつかの例を示した。特に,示した例においてはEuclid以後に研究されたものも示しておいた。次に,二次方程式においても,作図可能な場合と不可能な場合があるため,作図可能な場合の条件をもとに,二次方程式を分類した。最後に,分類された二次方程式をそれぞれの場合について,定規とコンパスのみを用いて描いた作図を用いて,解の公式などは一切使用せずに,実際に二次方程式の解法をまとめています。