家庭科における環境教育の指導案・指導法の検討を目的とし,炊飯の学習に環境問題(生活排水)を導入した(A)・(B)2つの授業実践を試みた。(A)は学生による模擬授業(B)は小学校教諭による現場の授業である。次にそれらの実践について,4つの項目を立て,3つの観点から考察を行った。すなわち「授業記録」「授業展開の考察」「授業の成果」「授業の問題点」について,児童の興味・関心・実態との関連,指導の流れの適切性・道すじの論理性,授業の実践性の3観点から考察を進めた結果,指導案,指導法ともにほぼ成果を問えるものであった。(A)・(B)両実践の比較を通して言えることは,環境問題は複雑な内容をもつものなので,その教材化にあたっては,地域に即してより身近な題材をとりあげ,問題原因の所在への考え方をポイントにおき,より具体的な指導法の工夫が必要であることが,改めて確認されたことである。