本研究の目的は,中学生の学校ストレスについて,その認知的評価とコーピングおよびストレス反応との関係を求め,実践研究的観点から考察を加えることであった。質問紙による調査を行った結果,学校ストレッサーは4因子,コーピングは3因子,ストレス反応は4因子で解釈された。学校ストレッサーに対し,「思考の転換」型の対処法はストレス反応との関係が明らかでなかったが,「責任転嫁・回避」型の対処法は,「不機嫌・怒り」「抑うつ・不安」「無気力」「身体反応」などと関係していることが分かった。また,女子の方が男子に比してよりよいストレスコーピングを行っているこが分かった。