私の考える「理科的な表現力」とは,自然事象に対して,子どもたちがもっている科学的な知識やイメージを言葉や絵(図),モデルとして表出することである。しかし,そこには必ずその子なりの科学的な根拠を伴っていなければならず,説明できるようなものでなければならないと考えた。このような考えのもと,子どもたちが「理科的な表現力」を発揮できる場面として「予想」と「考察」の場面を設定し,そこで省察が行われるよう支援した。そして,子どもたちがイメージを表出し,他者と共有することでそのイメージをひろげたり深めたりしながら学びの質の高まりをめざした。その結果,イメージを表出することを楽しみ,理科学習に対する意欲も高まった。しかし,イメージを表出するときや他者と共有するときの表現方法,ノートの活用法,個人の振り返りの記入については,さらなる支援や工夫が必要なことがわかってきた。