思いや意図をもって表現するための手立てとして「かく」ことが有効ではないかと考えた。「かく」とは,絵や言葉で感じ取った内容を表すことである。きこえた音をどのようは感じたのか,曲のもつ雰囲気をどのように受け取っているのか,「かく」ことによりわかることがたくさんあるのではないか。そこで鑑賞の中で「かく」活動を組み込み,絵や歌詞で表すことから曲想にせまれるようにした。 さらに,何度も繰り返して曲を聴いているうちに,どの子どもも自然と旋律を口ずさめるようになっていった。また,土台としてお気に入りの音を見つける活動から,さまざまな音・楽器に触れたり,見つけた音を言葉と演奏で紹介したりすることで,曲中の登場する音に集中して耳を傾けられるようになった。