これまでの中学校家庭科における「防災」授業は、「住生活」を中心に取り組まれることが多かった。しかし、災害時には生活全般にわたる問題が生じ、それらの困難を乗り越える力を必要とする。災害への意識を高め、防災を自分事と考えて行動できる力をつけるために、本研究では、「衣食住の生活」と「家族・家庭生活」の内容を横断的に扱う「防災」授業を構想し、実感を伴う学習指導として写真や資料等の活用と課題解決学習における適切な課題設定を工夫し、実践した。さらに、学習内容や自分の考えをハンドブックにまとめ、授業後も家庭で活用できるようにした。その結果、生徒の防災に対する意識の高まりや、学んだ知識を生活に生かす姿が見られた。また、ハンドブックの活用により家族と一緒に防災を考えるきっかけにもなった。