本研究では、体つくり運動領域が、学習指導要領の改訂を通して、学校現場でどのように行われているか、また行われるべきかという実践的位置づけを雑誌「体育科教育」から学習指導要領に関する論説について、先行研究から具体的な実践報告や調査報告について整理を行い検討した。体つくり運動領域は、子どもの体力や心と体の問題の解決策として導入された。しかし、体つくり運動領域には、固有の運動が存在せず、単独の単元としての実施の難しさが窺えた。また、体力に対する指導者の認識の相違から、スポーツテストにみられるような数値化された「体力」の向上に傾斜した指導に陥る危険性もみられた。体つくり運動領域には、運動の中で動きや運動感覚を自然に培うことや、自分や仲間の体を感じる、気づく、自覚することに焦点を当てた「体ほぐしの運動」も含まれており、子どもの実態に応じて実践していく必要があることが確認された。