本研究では,1)大学新大学生の1週間の身体活動水準を把握すること,2)感情・気分の状態(緊張・抑うつ・怒り・活動性・疲労・情緒混乱)を把握すること,3)身体活動と気分の状態との関連性について検討することを目的とした。その結果,1)男女とも平日に比べ休日の歩数が有意に低かった。その低下率は男子学生が22.7%,女子学生が34.2%で女子学生の変化率が大きかった。2)気分の状態を示すPOMS調査の結果,男子学生は女子学生に比べて緊張,抑うつ,怒り,疲労,情緒混乱の5項目において有意に高い値を示し,好ましくない気分の状態であった。3)男子学生について休日の身体活動量が少ない群では「抑うつ」,「怒り」の項目で有意に高値を示した。また,「緊張」では高値傾向を示した。女子学生について身体活動量の少ない群では 「緊張」の項目で有意に高値を示し,「抑うつ」の項目では高値傾向を示した。また,「活動性」の項目では有意に低値を示した。以上の結果から大学生の気分の状態について平日の身体活動よりも休日の身体活動の重要性が示唆され,休日を如何に活動的に過ごすかが気分の状態を左右する1つの重要な要因となる可能性が認められた。