本研究では、「できる」を支援するためのヒントカードの開発を目的としている。「できる」を支援するためには、メタ認知モニタリングを促進させるようなヒントカードが有効だと考え、柿沼・立花(2019)の「自己への問いかけ」を取り入れてヒントカードを作成し、全国学力・学習状況調査で特に課題のみられる「関数」領域において検証授業を行った。その結果、ヒントカードを使用した生徒のふりかえりの自由記述は、未使用の生徒のものと比較して、「傾き」や「切片」等の具体的な用語が多くみられ、「わからなかったが、わかるようになった」等の変容も多くみられた。また、自己評価において、「自己への問いかけ」に関連した“問題理解”や“既習事項との関連”の評価が高いほど、技能に関する自己評価も高い傾向がみられた。