和歌山大学教育学部教育実践総合センター紀要 12
2002-08-12 発行

幼児の生活行動調査と活動性の発達

A Report on Life Behavior and Development of Physical Activities in Infant Period
中 俊博
木村 博子
フルテキストファイル
Self DOI [info:doi/]
本文言語
日本語
開始ページ
119
終了ページ
127
記事種別(和)
一般研究
キーワード(和)
幼児期
生活行動
運動遊び
抄録(和)
W県N郡6町の保育所・園に通う幼児(3歳,4歳,5歳)を対象に質問紙法による生活行動調査の保護者の回答結果から午後10時以降の就寝は3歳,4歳,5歳全体の平均は11.7%である。休日のテレビゲームを「よく行う」と「時々行う」を合わせた比率は,4歳児で23.2%, 5歳児で35.8%であり,一方,自転車のりやボール遊びを「よく行う」は,平日約50%,休日約60%であり,「時々行う」と合わせれば,平日,休日の比率は,約91%の高比率である。次に,日常生活の基本的な動作の完成度調査では,3歳児において「できる」比率の低い動作項目は,「スナック菓子の袋の開封 : 29.7%」「飲料や菓子のフタはずし : 42.9%」「箸づかい : 47.5%」である。また,4歳児では上述の項目の完成度比率はそれぞれ54.5%, 65.9%, 67.8%と上昇し,5歳児では,71.5%,80.1%,76.9%と一層向上する。次に,N町の4歳,5歳児の運動遊びによる活動性の発達について調査した結果,運動遊びによる活動性の変化は4歳女児の立幅跳を除いて,4歳,5歳男女の片足連続とび,立幅跳で有意な増加が見られ,特に5歳男児の片足連続とびでは,6月値54.3±20.54mから10月値73.0±32.91mと18.7mの発達が見られ,また,柔軟性においては「箱なし : 0cm」の柔軟度の最高値の比率変化は4歳,5歳全体で6月約38%から10月には約53%と上昇し半数以上が顎が床にとどく顕著な発達がみられる。また,個人の変化に着目し活動性の5段階基準の分布率からみると6月から10月の発達は片足連続とび,立幅跳の両項目の平均値はA段階(発達良好)7.9±7.0%から15.3±7.3%と約2倍になり,E段階(要運動遊び)が7.6±3.8%から3.3±3.1%と半減している。
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