和歌山大学が栄谷の地に移転してから16年がたち,大学建設による周辺の生態系の撹乱も一応の落ち着きを取り戻しつつあると考えられる。しかしこの地域は,大学建設以前から,建設業者によって大規模開発が計画されていた。そして昨今急速に,大学周辺で様々な開発が行われてきており,これらが,回復しつつある生態系に大きなダメージを与えるであろう事は想像に難くない。以上の点から,現状での大学周辺の生物相の記録をとっておく事は極めて重要であろう。しかし2001年度には,生物相調査のための予算措置がなされなかったので,水生生物についての予備的な調査のみ行う事にし,2001年夏から秋にかけて,梅原地域の大年川とその周辺の水生生物相を調べた。また8月には地元の子ども達に呼びかけて観察会を開いた。ここではその簡単な報告を行う。