「アクティブ・ラーニング」は、「能動的学修」の英訳語として平成24年8月の中教審答申「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて~生涯学び続け、主体的に考える力を育成する大学へ~」において公的に位置付けられ、当初は大学教育の方法論的改革の手立てとして論じられ始めたが、それ以降、初等中等学校における学習指導要領の改訂に向けた現行の中央教育審議会においても、その論議の中心的課題として位置付けられるようになった。次代の学習指導要領の中心概念のひとつとして次第に輪郭が明確になるなかで、学校教育関係者にとどまらず、もはや「アクティブ・ラーニング」は時代の言葉として一定の市民権を得ているように見える。今回私たちは、この「時の言葉」としてなるに至ったアクティブ・ラーニングについて、その本質、経緯、実相、そして可能性について、一定の批判的視点に立って検討する。ここにおいて主となるアプローチの手法は、特定の学校教育活動(授業)に立脚した実践分析に基づくものである。