本実践では、小学校4年生、5年生、6年生の各1クラスを対象に、ゴール型ゲームにおける戦術学習を実践し、単元前後の質問紙調査とゲームパフォーマンス調査を行った。その結果、単元前後で体育勤勉性における「挑戦機会の発見」は有意に向上し、「勤勉さ」と「積極的発言」は有意に向上する傾向が認められた。また、運動有能感においては、「身体的有能さ」のみが有意に向上し、「統制感」や「受容感」は向上しなかった。このことは、本実践が内発的動機づけのうち、「自律性」に影響を及ぼしたが、「有能さの認知」や「関係性欲求」には影響しなかったことを示唆する。一方で、ゲームパフォーマンスは単元に伴い向上が認められた。これらのことは、ゴール型ボール運動において、子どもに技能向上を認識させることが困難であることを示唆している。