地域の小・中学校から特別支援学校の高等部に転入学してくる生徒の多くは、これまでに不登校やいじめ被害などを経験しており、二次障害を抱えているケースが少なくない現状がある。本稿では、その積極的対応として、心理教育の視点も含めたカリキュラムの見直しについて検討した。具体的には、時間割に「セルフデザイン」という領域・教科を合わせた時間を新設し、他者との関わり合いを通して自分自身について学ぶことを重視した授業プログラムを実践および検証した。プログラム実施後の生徒へのアンケートなどからは、生徒の学びに向かう主体性の向上や本人による困り感の言語化、他者との関係性を深めることについて、一定の成果があったことが認められた。