木質構造の校舎のよさについて,子供たちには普段とりたてて意識しない(無意識下状態)ものの,第3者(調査者)を介した聴き取り調査のデータからはその教育効果を推定することができた。第1点は空間のもつ広がりと明るさが子どもや教師の生活意識を開放的にする効果。第2点は木質のもつ柔軟性・保温性が身体に及ぼす影響。直接的には子どもの怪我が比較的軽微であること。冬季でも暖かいことなど。第3は木質環境が子どもに物を大切にする心を育てる要件をもっていることである。これらの諸点は木質校舎がもつ学校の隠れたカリキュラの一つであることを明らかにした。