子どもの住生活研究にあたり,家庭で保有される学習机という生活財の存在に着目し,和大生の小学生時代の学習机を事例として,その保有および使用実態を調査した。学習机は,100%に近い保有率で,子どもの小学校入学を機に親や祖父母によって買い与えられる。その際,子どもはキャラクターや流行のタイプを期待するが,大人のほうは実用性を重視しがちである。学習机の使用の実態は,子どもの個性や男女により差異があるが,物珍しい当初は別として,中学生程度までは学習のための使用頻度は低いこと,持物の置き場・収納場としての機能は大きいこと,整理整頓などの自己管理は不十分であること,大学生の今日まで処分されず使用し続けていること,自己の拠点であり続けた学習机への愛着あるいは愛惜の念が強いこと,などの傾向がとらえられた。