貝塚市と岸和田市は,大阪南部に隣接して位置し,いま生涯学習計画の策定作業が,「市民参加」方式で進行中である。本稿は,この作業のなかからのドキュメンタリーな報告である。計画策定において必要かつ有効な視点は,「社会教育実践の重要な一構成部分としての地域生涯学習計画づくり」であり,「計画づくりにおける住民と社会教育労働者の固有な役割」であると考えられる。この視点の具体化のためには市民参加が不可欠である。しかし,それだけでは充分ではない。「参加」の具体的内容が問われる。市民,職員の「重層的参加」方法による貝塚市,形式的には「市民参加」をとる岸和田市を比較しつつ,生涯学習計画づくりが,社会教育実践として展開される可能性と必要性を描き出した。