本論では、和歌山県下における、ある過小規模校における教育実践に関する報告、ならびにその検討を行う。和歌山県に限らず、日本の地方部においては少子化、ならびにこれに伴う人口減が大きな課題となっており、結果的にコミュニティそのものの持続可能性が危ぶまれている。こうした状況に対し、学校教育とコミュニティの持続的発展を同時に達成するための取り組みとして、学校を越えた「集合学習」に取り組んだ。ここでは一定の成果を上げつつも、そこから浮上する新たな課題等にも敢えて言及しつつ、今後の学校教育一般のあり方について考えるものである。