ベトナムでは2001年以来インクルーシブ教育(以下、IE)を実施している。2010年に承認された障害者教育法により、一部の国立特殊学校はインクルーシブ教育発達支援センターに移行し、地域の学校等への支援が中心になった。しかし、障害のある子どもの数が増加して、通常の学校に行くことができない多くの障害のある子どものニーズを満たすため、私立特殊教育センターが次々と設立されている。本研究は、ベトナムにおけるインクルーシブ教育の現状を把握することを目的とし、事例研究を通じて、障害ある子どものIEの実施を支援する私立特殊教育センターの実情とその役割について報告し、考察した。