毎日食べたり着たりしている子どもたちにとって,家庭科の学習内容は「知っているつもり」の内容が多い。そこで「知っているつもり」の中に隠されていることわり,見えない原理(科学)を認識できる授業づくりが大切であると考えた。
本研究では, 5年生の食生活学習「おいしいね毎日の食事」を取り上げる。炊飯についてはビジョン鍋を使い,固い米がやわらかいご飯になる原理を観察・考察・話し合いによって見出した。米は水につけると吸水してふくらみ熱を加えるとさらにかさが増えやわらかくなることをつかみ,水加減と火加減の大切さを認識させることができた。感覚的に分かっていたことと「科学的認識」が結びついた時,驚きや感動が生まれ「家でもやってみたい」という意欲につなげることができると分かった。