教育現場における防災に関わる取り組みや研究はさかんに行われるようになっているが、保育園・認定こども園・幼稚園を対象とした研究は、小中学校などの事例に比べて少ない。乳幼児の通う園における防災を含んだ身の回りの安全に関する事項の教育や保育には、一過的な防災訓練としてよりも園の特色を活かしながら、日常生活の育ちの中から学びに繋げることが重要であり、乳幼児とその周りの大人を一緒に取り込んだものにする必要がある。本報では、こうした点を考慮した模擬体験を含んだ地震防災保育を、「育ち合い」を大切にするかぜのこ保育園(和歌山市に立地)との連携で実践を行い、実践結果をアンケート結果とともに報告する。これらによって、地震防災保育の質の向上のための知見を得ることができ、今後の課題も明らかにすることができた。