小学校におけるプログラミング教育が平成32年から全面実施されることとなり、次年度から移行期間となる。しかしながら、小学校教員による指導上の不安や抵抗感から、その普及・推進が懸念されている。そこで、平成29年度に先行的に実施された小学校でのプログラミングの事例をまとめ、プログラミング授業の実態を探った。各種授業実践をその形態別に分類した所、現状でも様々なバリエーションの授業が試行的に進められていた。ただ、児童らが扱うプログラム処理の方式や達成レベル等が考慮されずに、授業の系統性に問題が多いことも明らかになった。さらに、各授業者への聞き取りによって、環境整備・時間数・指導力・評価方法等にも課題がみられた。また、「プログラミング教育」が独立した新たな分野として特別視される傾向にあり、情報活用能力の視点から捉え直す必要性なども見出だせたといえる。